箸を使う手元を見ていると親指を突き立てておいでの方をよく見かけます。これは正しくないつまり美しくないだけでなく機能的にも劣ります。お箸の使い方が正しく継承されていないとすれば問題でしょう。お勉強も勿論大切ですが、こういう事をきちんと躾けてあげるのが親としての務めではないかしら・・・その親がまともにお箸が使えないのでは困ったものです。福井県小浜から若狭塗のお箸屋さん『のぼう』がデパートに来ていたので、樺材のちょっといいお箸を買い求めてみました。「すごいお箸」としてお試し用のお箸とこんにゃくが置いてあり、とても摘みやすいのです。子供には使いやすいお箸を選んであげれば上達するだろうと思いました。西洋人の食事用カトラリーの種類の多さは呆れるばかりですが、和食の場合お箸一膳で殆ど賄えるのですから素晴らしい文化です。彼らが食卓で切って突き刺すのに対して、こちらは必要ならあらかじめ切られており食卓では優雅に摘んで食しますし、大体小骨など繊細な箸使いが求められるケースに対応できないのではないかしら。箸は麺類も得意としており、味噌汁などスープ類もお椀に入れて供されるので茶碗蒸しを別とすれば殆どスプーンは要りません。西洋のカトラリーはあれはあれで文化なので、私も好きで一通り揃えてはおりますが、お箸を使って食事をする所にどうしても合理性を感じてしまいます。