大切なお客様をお迎えしての食事会に向けて、様々な食材を検討しました。お祝い膳であった為、鯛をご用意すべく鮮魚店の下見を繰り返していたのですが、(冷凍でない)生の(養殖でない)天然鯛は海がシケると入荷しない為、気をもみました。三日前、幸運にも湘南であがった言わば地魚、しかもなんと活けじめの美しい鯛が手に入りました。二枚おろしにして頂いて冷蔵庫保管し、当日の朝皮と骨を取り除いて昆布締めにしましたが、普通の鯛がそのまま並べられているのに対して、活けじめ処理された魚は時間の経過と共に熟成肉のように旨味が増し臭みも出にくいので全く違います。5時間くらいで昆布を外し、お出しする直前に細く切って福寿とある染付のお皿に懐石風に盛り付け、柑橘系(すだちとゆず)の合わせ三杯酢をかけ、すりおろした生わさびとクレソンを添えました。皆でその美味しさを賞味したのは言うまでもありません。